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勉強の記録(画像処理,DeepLearning,ときどき英語)

G検定2023#5

機械学習の知識の整理のためにG検定を受けました。G検定はAI・ディープラーニングの活⽤リテラシー習得のための検定試験で、年に数回(2023年は5回)開催されています。試験はweb形式で自宅で受験できます。

受けようと思ったきっかけ

1年ほど前から機械学習に関する仕事に関わり始め、仕事で必要な部分を適宜勉強していました。物体検出のタスクでも自然言語処理に使われるモデルを使用するなど、体系的に知識が必要と感じ、どう勉強するのが効率的か調べていた時に見つけて受けることにしました。

G検定のシラバス

人工知能の定義や歴史から始まり、ディープラーニングのタスクや手法、AI開発時に気をつけるべき点(開発をスムーズに進める方法、法律や倫理の話など)、活用事例がG検定の出題範囲です。AIを使ったシステムを企画する人から開発する人まで幅広い部門の人が知っておくと良い内容になっています。

試験に出てくる頻度はディープラーニングの手法に関する出題がやや多いので、数学が得意でない人は若干難しいと感じるかもしれません。私の場合は、特にディープラーニングの手法や活用について勉強したかったので、効率よく勉強できて良かったです。

最新のモデルについて知りたいという方には向いていませんが、有名な手法やその背景などを知っておくことで、現在の最新の手法を理解する足掛かりになるような知識を身につけられるというイメージです。

学習期間

7月から10月まで3ヶ月ほど勉強しました。大体1日2時間ほど(累計すると180時間ほど)です。

よく勉強時間は30時間ほどと書かれていますが、ディープラーニングの手法をきちんと理解したいという目的があり、そこに時間をかけたので長めの勉強時間になっています。

使用教材

学習教材は以下のものを使いました。

出題範囲の確認

https://www.amazon.co.jp/dp/4798165948

G検定の出題範囲を一通り学べるテキストです。

この本で出題範囲をざっと確認しました。各章の最後に確認用の問題もついています。必要最低限のことがシンプルに書かれているので、ディープラーニング手法をより深く理解したい場合は、別の詳しい教材が必要だと思います。

ディープラーニングの手法の理解

O'Reilly Japan - ゼロから作るDeep Learning

O'Reilly Japan - ゼロから作るDeep Learning ❷

O'Reilly Japan - ゼロから作るDeep Learning ❹

CNN、自然言語処理強化学習についてきちんと理解したい場合は、ゼロから作るDeepLearningシリーズが良いです。丁寧な解説で理論的に仕組みを理解できます。Pythonを使って実際にディープラーニングを動かす事もできます。

試験対策

最短突破 ディープラーニングG検定(ジェネラリスト)問題集 第2版:書籍案内|技術評論社

試験対策の問題集にも取り組みました。問題のバリエーションがあり、web模試(1回)もついています。問題集の問題は公式問題集よりも深い内容が問われやや難しいです。web模試では現在のディープラーニング事情(海外の規制など)を問う問題もあってさらに難易度が高く感じました。web模試では実際の試験時間と同じ2時間で200問の試験問題を解くので問題を解く時間感覚を体験できます。

‎「G検定対策アプリ」をApp Storeで

参考書を常に持ち歩くのは大変なので、隙間時間の勉強にG検定対策アプリも使いました。苦手分野がわかるのでそこに集中して取り組めました。

公式テキストを0.5ヶ月、その後ゼロから作るディープラーニング(3冊)を2ヶ月、残りの0.5ヶ月を試験対策の勉強にしました。公式テキストと問題集は3回ほど読んで試験対策しました。

2023#5の試験

試験開始前

11月11日の13時から開始の試験を受けました。試験開始前の試験の数日前に届いた案内リンクにアクセスして試験環境の確認などを行います。12時50分から13時10分の間に試験をスタートできます。それ以前またはそれ以降に試験を開始することはできません。スタートボタンを押すと時間がカウントされ後戻りができないので、お手洗いなど試験の準備整えて試験を始めます。

試験問題

試験は191問でした。見直しの時間なしで一問当たり1分半になります。問題は分野ごとに出題されずランダムに問題が出てきます。解答に時間がかかりそうな問題は未解答、解答に自信のない問題は「後で見直す」にチェックを入れて、即答できる問題を一通り回答してしまいます。サクサク進めれば30分は時間が余ったので、残りの時間に未解答の問題に取り組んだり、自信のない問題を考え直したりしましたが、一つ一つ検索する時間はなかったです。私は名前が覚えにくい勾配降下法の種類やモデルの名前とその特徴を表にしたものをまとめた表を準備しました。

web模試で出たような海外の規制などの問題が多かったら厳しいかもと思ったのですが、そういう問題は少なかったです。計算問題や数学的な知識を問う問題も少なかったです(計算問題は2問で、平均、分散、標準偏差の計算ができれば解答できる問題でした)。当日お腹の調子が非常に悪くトイレに何度か行ったので自宅受験で良かったです。

試験後

合否結果

2週間後にメールで合否結果がメールで届きます。

2023#5の合格者の割合は69%でした。

■合否結果
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【 合 格 】
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総受験者数  5,330名
合格者数   3,662名

シラバス分野別得点率(小数点以下切り捨て)
1.人工知能とは. 人工知能をめぐる動向. 人工知能分野の問題:100%
2.機械学習の具体的手法:91%
3.ディープラーニングの概要:87%
4.ディープラーニングの手法:95%
5.ディープラーニングの社会実装に向けて:77%
6.数理・統計:83%
7.法律・倫理・社会問題:78%

※総合得点率、設問個別の正解・不正解、本試験の合格ライン等は開示しておりません。あらかじめご承知おきください。

自然言語と法律関係が苦手で点数が取れなかったと思われます。

合格認証ロゴ

 名刺などに載せることのできるロゴです。

 合否結果のメールと一緒にダウンロードリンクとパスワードが届きます。

 このブログの冒頭のロゴは合格認証ロゴの一つです。

合格証

 1ヶ月後にPDFで届きます。

オープンバッジ

 合格者のデジタル認定証明。

再受験クーポン

 期間中に再受験チケットを購入すると50%オフクーポンがいただけます。

合格者コミュニティCDLEへの招待

G検定やE検定に合格した人のコミュニティCDLEを活用できます。わからないことがあったときに質問したり、情報共有するコミュニティです。まだ使いこなせていませんが、学生の参加が多いように思いました。

 

G検定は意味があるのか

よく「G検定」で検索すると「意味がない」というキーワードが出てきます。試験に受かるためだけの暗記勉強をした人にとっては意味がないかもしれませんが、AIを正しく活用するためにどんな手法で作られているのか、どんな点に気をつけるべきかをきちんと理解するという目的を持って取り組んだ人にとっては意味のある検定かなと思いました。AIの発展はとても早いのでG検定で問われる内容も時が経つと変わってくるのかなという感じがあります。知識をアップデートするのに時々活用したいなと思います。